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The influence of blue light on sleep, performance and wellbeing in young adults: A systematic review

  • Sakura
  • 4月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月28日

Silvani MI, Werder R, Perret C. The influence of blue light on sleep, performance and wellbeing in young adults: A systematic review. Front Physiol. 2022 Aug 16;13:943108.


題名:若年成人における青色光(ブルーライト)の睡眠、パフォーマンス、健康への影響:システマティック・レビュー


目的:電子機器から発せられる青色光(ブルーライト)には悪い評判があります。青色光は私たちの体内時計(サーカディアンリズム)に影響を与え、睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、ブルーライトを浴びることは、パフォーマンスや健康にも影響を与えるなど、しばしば見過ごされがちな側面があります。その影響を体系的にまとめた報告は少なく、このシステマティック・レビューの目的は、青色光曝露が睡眠、パフォーマンス、健康に与える影響に関する現在の証拠を抽出し、アスリートにとってのその重要性について議論することです。


方法::検索したデータベースは、Cochrane、Embase、Pubmed、Scopus、Virtual Health Library です。対象となった研究は、健康な人々における青色光曝露が睡眠、パフォーマンス、健康、またはそれらのパラメータの組み合わせに与える影響を調査した論文が対象です。定量的研究の質を包括的に評価する尺度ツールである「QualSyst」を用いて行いました。


結果:ブルーライトの影響を要約すると、以下の結果が得られました(各パラメータを調査した研究の割合として表現しています)。


睡眠について

・50% の研究で疲労感が減少しました

・1/5 の研究で睡眠の質が低下しました

・1/3 の研究で睡眠時間が減少しました

・半数の研究で睡眠効率が低下しました

・半数未満の研究で睡眠潜時が増加しました


パフォーマンスについて

・50%以上の研究で認知パフォーマンスが向上しました

・2/3以上の研究で覚醒度が向上し、反応時間が短縮された

・半数未満の研究で健康状態が向上した

※日中のブルーライトはパフォーマンスの向上に役立つ可能性があります。


結論::ブルーライトは認知パフォーマンス、覚醒度、反応時間に良い影響を与える可能性があります。これはチームワークや意思決定が重要なスポーツに役立ち、怪我の予防にも寄与するかもしれません。一方で、ブルーライトは睡眠の質や睡眠時間を減少させるなどの負の影響を及ぼし、これがアスリートの身体的および認知的なパフォーマンスや回復を悪化させる可能性があります。今後の研究では、ブルーライトがアスリートのパフォーマンスに顕著な利益をもたらすかどうか調査する必要があります。


ポイント:ブルーライトを浴びることは睡眠に影響を与える可能性がありますが、認知パフォーマンスや反応速度は向上していました。「就寝前や夜間のブルーライトは避ける・日中は適切にブルーライトを浴びる」ことがアスリートのパフォーマンス維持向上に繋がる可能性があると考えます。また、ブルーライトカットが睡眠時間の向上につながるかどうかは、研究によって異なった結果になっています。したがって、基本的にブルーライトカットは必要性が無いと考えられます。

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