「矯正する時代」から「予防する時代」
- Sakura
- 6月25日
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更新日:6月28日
日本の眼科医療において、子どもの近視対策に関する重要な制度改正が行われました。日本眼科医会による医療格差是正に向けた厚生労働省への働きかけなどもあり、2026年6月より、一部の近視進行抑制点眼薬(リジュセアミニなど)を処方する際の診察料や検査料が公的医療保険の対象(選定療養制度の枠組み)となりました。
これまで、こうした近視の進行を抑えるための治療は、診察や検査を含めてすべてが自由診療(全額自己負担)でした。そのため、定期的な通院や検査に伴う家庭への経済的負担の大きさが課題視されていました。今回の改定により、通常の眼科診療に共通する視力検査や屈折検査、眼軸長測定などの費用に保険が適用されます。多くの自治体で実施されている子ども医療費助成制度の対象となる可能性も高まったため、経済的な理由による医療格差の解消が期待されています。
なお、今回の保険適用はあくまで「診察・検査料」が対象であり、点眼薬そのものの費用は引き続き全額自己負担(自費)となります。また、すべての近視治療や点眼薬が対象になるわけではなく、厚生労働省が指定した特定の製剤や治療プログラムに沿った場合に限られます。
これまでの近視対策は、視力が低下した後に視力を補う「矯正」が主流でした。しかし現在では、成長期における近視の進行そのものを初期段階から抑える「予防(進行抑制)」というアプローチが現実的な選択肢として定着しつつあります。また、近視コントロール用のメガネレンズ・多焦点コンタクトレンズなど、複数の選択肢が存在します。これらのツールと点眼薬を組み合わせることにより、さらに近視進行の抑制に繋がることが示されています。日本はこれまで他のアジア諸国と比較し、近視予防への取り組みは消極的と指摘されていましたが、昨年から国として近視予防に舵を切り出しました。さらに、日常生活においては「屋外活動時間の増加」が近視抑制に有効であることもメタアナリシスにより示されています。
1) U.S. Food and Drug Administration (FDA). FDA authorizes Essilor Stellest spectacle lenses for myopia control in children. September 25, 2025.
2) HealthDay News. FDA Approves Stellest Lenses to Slow Childhood Myopia. October 1, 2025.
4) Gao, Y., Lim, E. W., Yang, A., Drobe, B., & Bullimore, M. A. (2021). The impact of spectacle lenses for myopia control on visual functions. Ophthalmic & physiological optics : the journal of the British College of Ophthalmic Opticians (Optometrists), 41(6), 1320–1331.
5) Xiong, S., Sankaridurg, P., Naduvilath, T., Zang, J., Zou, H., Zhu, J., Lv, M., He, X., & Xu, X. (2017). Time spent in outdoor activities in relation to myopia prevention and control: a meta-analysis and systematic review. Acta ophthalmologica, 95(6), 551–566.

Nikon-Essilor® Stellest™
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近視を矯正する時代から「予防」する時代へ。
学校の健康診断などでお子様の視力低下を指摘された場合は、費用の負担が軽減されたこの機会に、まずは眼科専門医に相談し、適切な検査と治療の選択肢について確認することをお勧めします。また、近視コントロールの観点では、スマホの使用時間に注意が必要とされています。屋外で遊ぶ、過ごす時間を確保することが大切です。(イギリス・オーストラリアでは未成年の睡眠や学習、精神的健康を不安定にしているとし、SNSの規制が開始されました。中国では2021年より、スマートフォンの使用時間が未成年保護条例により規定されています〔8歳未満:1日あたり40分まで / 8〜16歳未満:1日あたり1時間まで / 16〜18歳未満:1日あたり2時間まで / 休憩機能:30分以上連続使用すると休憩を促す通知が表示される〕)。
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