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Association Between Outdoor Daylight Exposure Duration and Primary Open-Angle Glaucoma

  • Sakura
  • 3 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:2 日前

Chen, J., Huang, S., Zhuo, X., Chen, X., Xie, R., Luo, R., Shen, X., Xiao, Y., Liang, J., Zhu, Y., Mu, J., Tan, H., & Zhuo, Y. (2026). Association Between Outdoor Daylight Exposure Duration and Primary Open-Angle Glaucoma. American journal of ophthalmology, 281, 162–171.


題名:屋外日光曝露時間と原発開放隅角緑内障との関連


目的:屋外での日光曝露は重要な環境因子として、近年、眼科学研究において注目が高まっています。探索的研究により、日光曝露と原発開放隅角緑内障(POAG)との関連の可能性が示唆されていますが、その詳細な関連性は依然として十分に解明されていなません。本研究は、UK Biobank のデータを用いてこの関連性を検討することを目的としました。

対象者:除外基準適用後、POAG発症の解析には67,558名、有病率の解析には71,480名が含まれました。さらに、POAG関連形質である眼圧(IOP)および神経節細胞複合体(GCC)厚の解析には、それぞれ69,441名および28,029名が含まれました。

方法:屋外での日光曝露時間の初期評価は、標準化されたタッチスクリーン式質問票により実施し、1日あたりの時間(時間/日)で測定しました。1日あたり1時間増加するごとのハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定するために、Cox比例ハザードモデルを用いました。さらに、POAG有病率およびPOAG関連形質との関連を検討するために、ロジスティック回帰分析および線形回帰分析を実施し、複数の共変量で調整しました。


結果:すべての共変量で調整後、年間平均日光曝露時間(HR 1.10、95%CI 1.02–1.18、P=.009)および夏季日光曝露時間(HR 1.08、95%CI 1.02–1.14、P=.009)は、POAG発症リスクの増加と関連していました。特に男性において、より強い関連が認められました。屋外曝露時間が長い参加者では、年間曝露(β=0.04、95%CI 0.03–0.06、P<.001)、夏季曝露(β=0.04、95%CI 0.03–0.05、P<.001)、冬季曝露(β=0.02、95%CI 0.01–0.04、P=.007)のいずれにおいても、眼圧が高値を示しました。一方で、屋外日光曝露とPOAG有病率またはGCC厚との間には関連は認められませんでした。


結論:特に夏季における長時間の日光曝露は、眼圧上昇を介してPOAG発症リスクの増加と関連する可能性があります。本研究結果は、過度な日光曝露に対する予防戦略の必要性を示唆しています。


コメント:本研究は、日光曝露時間の増加が眼圧上昇および原発開放隅角緑内障の発症リスクと関連する可能性を示した点で、重要な知見を提供しています。しかしながら、日光曝露は眼科領域において一様に有害と評価されるものではありません。特に小児期においては、屋外活動時間の増加、すなわち日光曝露の増加が近視発症を抑制することが、複数の疫学研究およびランダム化比較試験により報告されています。これらの研究では明確な公衆衛生学的利益が示されており、その観点から、小児期において過度に紫外線を遮断することは慎重に検討されるべきであると考えられます。一方で、中高年期においては、日光曝露が緑内障発症リスクと関連する可能性が示唆されていることから、適切な紫外線遮断は緑内障進行の一因子を予防する可能性があります。さらに、紫外線および高温環境は、白内障、調節機能の低下(老視)、ならびに翼状片の発症・進行を促進する可能性が報告されています。以上より、日光曝露による眼への影響は、年齢や眼の発達段階に応じて異なる可能性が高いと考えられます。したがって、小児期と中高年期では予防戦略を区別し、ライフステージに応じた適切な紫外線対策を講じることが重要なのかもしれません。


1) Xiong, S., Sankaridurg, P., Naduvilath, T., Zang, J., Zou, H., Zhu, J., Lv, M., He, X., & Xu, X. (2017). Time spent in outdoor activities in relation to myopia prevention and control: a meta-analysis and systematic review. Acta ophthalmologica, 95(6), 551–566.

2) He, M., Xiang, F., Zeng, Y., Mai, J., Chen, Q., Zhang, J., Smith, W., Rose, K., & Morgan, I. G. (2015). Effect of Time Spent Outdoors at School on the Development of Myopia Among Children in China: A Randomized Clinical Trial. JAMA, 314(11), 1142–1148.

3) Wu, P. C., Tsai, C. L., Wu, H. L., Yang, Y. H., & Kuo, H. K. (2013). Outdoor activity during class recess reduces myopia onset and progression in school children. Ophthalmology, 120(5), 1080–1085.

4) 初坂奈津子. (2023). 眼部紫外線被ばくと翼状片および白内障に関する疫学研究. 日本白内障学会誌, 35(1), 7-12.

5) Wolffsohn, J. S., Dhallu, S., Aujla, M., Laughton, D., Tempany, K., Powell, D., Gifford, K., Gifford, P., Wan, K., Cho, P., Stahl, U., & Woods, J. (2022). International multi-centre study of potential benefits of ultraviolet radiation protection using contact lenses. Contact lens & anterior eye : the journal of the British Contact Lens Association, 45(6), 101593.

6) Miyashita, H., Hatsusaka, N., Shibuya, E., Mita, N., Yamazaki, M., Shibata, T., Ishida, H., Ukai, Y., Kubo, E., & Sasaki, H. (2019). Association between ultraviolet radiation exposure dose and cataract in Han people living in China and Taiwan: A cross-sectional study. PloS one, 14(4), e0215338.

7) Ivanov, I. V., Mappes, T., Schaupp, P., Lappe, C., & Wahl, S. (2018). Ultraviolet radiation oxidative stress affects eye health. Journal of biophotonics, 11(7), e201700377.


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