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​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

Blocking mobile internet on smartphones improves sustained attention, mental health, and subjective well-being

  • Sakura
  • 5月18日
  • 読了時間: 3分

Castelo, N., Kushlev, K., Ward, A. F., Esterman, M., & Reiner, P. B. (2025). Blocking mobile internet on smartphones improves sustained attention, mental health, and subjective well-being. PNAS nexus, 4(2), pgaf017.


題名:スマートフォンのモバイルインターネット遮断が持続的注意力、メンタルヘルス、および主観的ウェルビーイングを向上させる


目的:スマートフォンの「常時インターネット接続」という環境が、人間の認知機能や心理的健康に与える影響について、利用制限による明確な因果関係をランダム化比較試験(RCT)によって実証することです。


対象者:成人467名(平均年齢32歳)


方法

調査期間:2〜4週間 介入内容:ランダム化比較試験(RCT)を実施。専用アプリを用いて、対象者のスマートフォンにおけるモバイルインターネット機能(4G/5G、Wi-Fiを介したSNS、動画視聴、Webブラウジングなど)をピンポイントで遮断しました。

許容事項:スマートフォン本来の機能である「通常の音声通話」および「SMS(ショートメッセージ)」の利用は許可しました。また、移動を伴わないデスクトップPC等でのインターネット利用も許可しました。


結果:実験期間中、全体の91%の参加者が以下のアウトカムのいずれかで明確な改善を示しました。

  • スクリーンタイムの減少:スマートフォンの1日平均画面視聴時間が、実験前の314分(約5.2時間)から161分(約2.7時間)へとほぼ半減しました。

  • 主観的ウェルビーイングの向上:参加者の73%において、人生に対する満足度や日々のポジティブな感情が有意に向上しました。

  • メンタルヘルスの改善:参加者の70%において、抑うつ、不安、怒り、社会的不安の症状が大幅に軽減されました。

  • 持続的注意力の向上:参加者の59%において、客観的な認知テストによる集中力の向上が確認されました(年齢に伴う注意力の衰え10年分の逆転に相当するインパクト)。

  • 効果の持続性:2週間の遮断後に通常利用へ戻したグループにおいて、再開2週間後(実験開始から4週間目)時点でも、ウェルビーイングとメンタルヘルスの良好な状態が維持されました。

  • 行動変容のメカニズム:メディア消費総時間の減少に伴い、対面での社交、運動、睡眠時間、および自然の中で過ごす時間が増加したことが、上記改善の媒介因子(メカニズム)として確認されました。


結論:スマートフォンを介した常時接続環境そのものが、人間の認知機能、幸福度、および時間の使い方に著しい不利益をもたらしています。デバイス自体を完全に排除するのではなく、モバイルインターネット機能のみを一時的・部分的に遮断・制限するアプローチは、脳の認知機能を回復させ、メンタルヘルスを劇的に向上させるための極めて有効な手段です。


コメント:新潟大学の研究では(1)、長時間のスクリーンタイム(スマホやテレビなどの画面視聴)と小児肥満の間に明確な相関関係があることが明らかになりました。特に女児において顕著な関連が見られると指摘されていますが、同時に適切な運動と睡眠をセットで確保することで、リスクを軽減できることも示されています。お子様のスマホ使用については、各ご家庭で使用時間などのルールづくりが必要かもしれませんね。 1) Ikeda, I., Fujihara, K., Morikawa Yoshizawa, S., Takeda, Y., Ishiguro, H., Yamada Harada, M., Horikawa, C., Matsubayashi, Y., Yamada, T., Ogawa, Y., & Sone, H. (2024). Association between screen time, including that for smartphones, and overweight/obesity among children in Japan: NICE EVIDENCE Study 4. Endocrine journal, 71(2), 171–179.

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