Slowing of Greater Axial Length Elongation Stemming from the Coronavirus Disease 2019 Pandemic with Increasing Time Outdoors: The Tokyo Myopia Study
- Sakura
- 8月16日
- 読了時間: 3分
Yotsukura, E., Torii, H., Mori, K., Ogawa, M., Hanyuda, A., Negishi, K., Kurihara, T., & Tsubota, K. (2024). Slowing of Greater Axial Length Elongation Stemming from the Coronavirus Disease 2019 Pandemic with Increasing Time Outdoors: The Tokyo Myopia Study. Ophthalmology science, 4(5), 100491. Slowing of Greater Axial Length Elongation Stemming from the Coronavirus Disease 2019 Pandemic with Increasing Time Outdoors: The Tokyo Myopia Study - PubMed
題名:屋外活動時間の増加に伴うCOVID-19パンデミックに起因した眼軸長伸長増大の鈍化:Tokyo Myopia Study
目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの前およびパンデミック期間中における、眼軸長(axial length:AL)の伸長およびその他の眼科的パラメータの変化を調査することを目的としました。
研究デザイン:学校を基盤とした縦断研究です。
対象者:2018年から2021年に本研究へ参加した、東京都内の公立小学校に通う**小学1~6年生(6~12歳)**を対象としました。
方法:すべての対象者に眼科検査を実施し、書面による同意を得たうえで、非調節麻痺下での屈折検査および眼軸長を含む眼球生体計測を行いました。また、児童の保護者に対して、児童の生活習慣に関する質問票調査を実施しました。解析には右眼のデータを使用しました。各期間における眼科的パラメータの変化を比較するため、**反復測定データに対する線形混合効果モデル(linear mixed-effects model)**を用いました。
さらに、近視とその他の共変量との関連を検討するため、単変量解析およびステップワイズ法による重回帰分析を実施しました。
主要評価項目:以下の3つの期間における、眼軸長伸長およびその他の眼科的パラメータの変化を評価しました。
2018~2019年: パンデミック前
2019~2020年: パンデミック発生直後
2020~2021年: パンデミック期間中
結果:解析対象となった児童は、パンデミック前の期間では578名、パンデミック発生直後では432名、パンデミック期間中では457名でした。各期間における眼軸長(AL)の伸長量/等価球面度数(spherical equivalent:SE)の変化量は、それぞれ以下のとおりでした。
パンデミック前:0.31 mm/−0.20 D
パンデミック発生直後:0.38 mm/−0.27 D
パンデミック期間中:0.28 mm/−0.47 D
これらの変化には統計学的有意差が認められました(AL:P < 0.001、SE:P = 0.014)。
質問票調査の結果、1日当たりの屋外活動時間は、3つの期間でそれぞれ79分、63分、77分でした(P < 0.001)。一方、スマートフォンまたはタブレットの1日当たりの使用時間は年々増加し、それぞれ41分、52分、62分でした(P < 0.001)。3つの期間のうち、屋外活動時間が最も短かった時期に、眼軸長の伸長が最も大きくなっていました。
結論:これらの結果から、学校閉鎖および屋外活動時間の減少が、東京都の小学生における眼軸長伸長の増大に影響した可能性が示唆されました。一方で、近業時間は引き続き増加していたものの、ロックダウン後に屋外活動時間がパンデミック前の水準まで回復したことが、眼軸長伸長の鈍化に影響した可能性も考えられました。
コメント:この論文は、近視進行予防には屋外活動時間の確保が重要である可能性を示した研究と考えられます。COVID-19流行直後、屋外活動時間が減少した時期に眼軸長の伸長が大きくなり(近視の進行)、その後、屋外活動時間が回復すると眼軸長の伸長も鈍化しました。一方で、スマートフォンやタブレットの使用時間は増加し続けていました。このことから、デジタル機器の使用を減らすだけでなく、日常生活の中で屋外で過ごす時間を確保することが近視進行予防に重要である可能性があります。ただし、本研究は観察研究であるため、屋外活動の増加が直接的に近視進行を抑えたと断定することはできません。学校保健の観点では、休み時間や放課後などに屋外活動を促すことの重要性を支持する研究と捉えるのが適切ではないでしょうか。