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​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

Changes in Postural Stability Depending on Prism Corrections for Exophoria

  • Sakura
  • 2025年12月23日
  • 読了時間: 2分

更新日:1月4日

Hwang, M. K., Moon, B. Y., Yu, D. S., Cho, H. G., & Kim, S. Y. (2023). Changes in Postural Stability Depending on Prism Corrections for Exophoria. J Korean Ophthalmic Opt Soc, 28(4), 325-331.


題名:外斜位に対するプリズム補正が姿勢安定性に及ぼす影響


目的:本研究は、外斜位患者においてプリズム補正基準の違いが、姿勢安定性に及ぼす変化を分析することを目的としました。


方法:平均 9.19 ± 5.88⊿の遠見外斜位を有する18名(男性8名、女性10名)を対象としました。プリズム補正として、屈折異常の完全矯正(FC)、シェアード基準によるプリズム補正(SP)、斜位全量プリズム補正(FP)の3条件とし、BTracks™ Assess Balance System を用いて、動揺軌跡長、動揺楕円面積、動揺速度を比較分析しました。


結果:

  • 動揺軌跡長は、SP条件において FCおよびFP条件より有意に減少した(p < 0.05)

  • 動揺楕円面積も、SP条件でFC条件より有意に減少した(p < 0.05)

  • 平均動揺速度は、SP条件でFCおよびFP条件より有意に低下した(p < 0.05)


結論:斜位に対するプリズム補正は、視覚的不快感の軽減にとどまらず、姿勢制御能力を改善する有効な光学的介入となり得ます。


コメント:論文では「シェアード基準によるプリズム補正は、姿勢安定性を最も効果的に改善」「斜位全量プリズム補正は、姿勢制御に不利に働く可能性」が指摘されています。シェアード基準のプリズム補正条件では重心動揺量・範囲・速度すべてを安定化します。しかし、斜位全量プリズム補正条件では、重心動揺速度(最大速度)が増加し、姿勢の安定性は阻害されました。したがって、外斜位の補正は斜位量をすべて補正するのではなく、既存の感覚統合を不安定化させない最小プリズムによる補正が姿勢制御にとって適切である可能性が示されました。


斜位について日本では基本的に「矯正(補正)の必要性は賛同し難い」とされています(河口 充ほか. 学術展示 健常者の眼位. 眼科臨床紀要. 3(2) 2010,p.188~192.)。しかし、2010年以降、斜位は姿勢制御の安定性を阻害する要因であることが、理学療法やバイオメカニクスの研究結果から示されています。本研究は対象者がやや少ない点が気がかりですが(n=18)、今後も斜位や視覚と姿勢制御の関りについて研究が進むことを期待したいと思います。

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