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​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

Effectiveness of orthokeratology and myopia control spectacles in a real-world setting in China

  • Sakura
  • 1月19日
  • 読了時間: 3分

Yang, B., Liu, L., & Cho, P. (2024). Effectiveness of orthokeratology and myopia control spectacles in a real-world setting in China. Contact lens & anterior eye : the journal of the British Contact Lens Association, 47(3), 102167.


題名:中国の実臨床環境におけるオルソケラトロジーおよび近視抑制眼鏡の有効性


目的:1年間にわたり、オルソケラトロジー(オルソK)レンズまたは近視抑制眼鏡(Myopia Control Spectacles:MCS)を装用した中国人小児における近視抑制効果を比較することです。


方法:ベースライン近視度数が −5.00~−0.75D、乱視度数 ≤1.50Dで、少なくとも1年間、オルソK(Euclid(OK1)またはCRT(OK2))あるいはMCS(Stellest(MCS1)またはDIMS(MCS2))による近視抑制治療を受けていた212名の患者データを後ろ向きに解析しました。 4群間の近視抑制効果は、等価球面屈折度数(SER)の変化(眼鏡群)および眼軸長(AL)の変化(全群)に基づいて比較しました。解析対象は右眼のみとし、初診時(ベースライン)および1年後の来院時における最良矯正視力(BCVA)、SER、ALのデータを用いました。


結果:ベースラインにおいて、性別、円柱度数、BCVAには有意差は認められませんでした(P > 0.05)。一方で、年齢、近視度数、眼軸長には4群間で有意差が認められました(P < 0.05)。 1年間の治療後、眼軸伸長量(Axial Elongation:AE)には4群間で有意差は認められませんでした(P = 0.49)。ベースライン年齢、および球面度数で補正したAEは、OK1:0.19 ± 0.15 mm、OK2:0.18 ± 0.14 mm、MCS1:0.19 ± 0.19 mm、MCS2:0.20 ± 0.18 mmでした。 AEおよびSER増加量と有意に関連していた因子は年齢のみでした(P < 0.05)。すべての群において、AEと年齢の間には負の相関が認められ、眼鏡群ではSER増加量とベースライン年齢との間に正の相関が認められました。


結論:中国の実臨床環境において、軽度から中等度近視の小児に対する近視抑制効果は、2種類のオルソKレンズおよびMCSのいずれにおいても同程度でした。1年間の平均眼軸伸長量は0.18~0.20 mmの範囲であり、オルソKによる近視抑制に関する既報と同等の結果がしめされました。


コメント:日本ではお子様の近視予防にオルソケラトロジーによる治療が推奨されています。しかし、睡眠中のハードコンタクトレンズ装用は角膜疾患リスクの危険性が指摘されています(Sartor et al., 2024)。近年、海外ではお子様の近視予防の選択肢として、安全性と近視抑制効果から、MCSを選択するケースが増加しています。オルソケラトロジーは先に述べた通り角膜疾患リスクの観点から、お子様の近視抑制治療に用いられるケースは減少傾向にあります。本論文ではオルソケラトロジーとMSCの近視抑制効果を比較した結果、その効果は同等であることが示されました。アメリカではFDA(米国食品医薬品局)が2025年9月に、Essilor Stellest® 眼鏡レンズ (MCS)を「子どもの近視進行を抑える効果がある眼鏡」として初めて承認しています。また、MCSの近視抑制効果と安全性は多くの国のエビデンスにより示されていますので、世界では多くのお子様がMCSを使用することにより、安全に近視抑制のベネフィットを享受しています。日本では、政治的・制度的な背景の影響により、MCSの販売は現在承認されていません。この点について、日本の医療制度の在り方には課題が残されていると感じています。

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