top of page

​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

Low-concentration atropine for controlling myopia onset and progression in East Asia

  • Sakura
  • 7月28日
  • 読了時間: 2分

Zaabaar E, Zhang Y, Kam KW, et al. Low-concentration atropine for controlling myopia onset and progression in East Asia. Asia Pac J Ophthalmol (Phila). 2024;13(6):100122.


題名:低濃度アトロピンによる近視抑制効果(東アジア地域)


目的:近年、低濃度アトロピンを用いた近視抑制に関するデータが急速に蓄積されており、特に東アジアの子どもにおいてその有効性が示されていますが、研究によって結果にばらつきが見られます。本レビューの目的は、東アジアにおける近視の発症および進行管理に対する低濃度アトロピンの有効性と安全性に関する現在のエビデンスを評価することです。


方法:東アジアにおける近視抑制目的でのアトロピン使用に関する臨床試験をレビューしました。


結果:アトロピンは、プラセボと比較して東アジアの子どもにおける近視進行を抑制する効果があることが示されています。その効果は濃度に依存しており、1%アトロピンでは近視進行を70%以上抑制する最大の効果が認められますが、著しいリバウンドや副作用を伴います。より低濃度のアトロピンでも有意な近視抑制効果が得られ、安全性の面でもる草用のリスクが小さくなります。0.05%および0.025%アトロピンでは、それぞれ67%、43%の近視抑制効果が報告されています。0.01%アトロピンは0.05%および0.025%に比べ効果は劣りますが、それでも近視屈折進行の有意な抑制効果が確認されています。2年間にわたる観察では、0.05%アトロピンにより近視の発症率が約50%低下し、0.01%アトロピンよりも高い有効性が示されました。この効果は特に、低い遠視予備(+0.75D未満)を持つ子どもに顕著であり、遠視が高い子どもには認められませんでした。


結論:現在のエビデンスから、低濃度アトロピンは東アジアの小児における近視管理において重要な役割を果たし、良好な安全性プロファイルを示しています。最も効果的かつ安全な濃度を適切なタイミングで使用することで、近視進行による視力低下を予防できる可能性があります。


参考:日本でも国産の近視予防点眼薬「リジュセア®ミニ点眼液0.025%」が参天製薬より発売されました。近視の進行でお悩みのお子様は眼科さんにご相談ください。

最新記事

すべて表示

​谷 町 眼 鏡 店 Since 2012

Copyright © Tsubame Optical. All rights reserved. 

bottom of page