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​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

The effect of digital devices screen use on intraocular pressure: A systematic review and meta-analysis

  • Sakura
  • 9月1日
  • 読了時間: 3分

Arman A, Vahedi H, Jafarizadeh A, et al. The effect of digital devices screen use on intraocular pressure: A systematic review and meta-analysis. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. Published online June 18, 2025.


題名:眼圧に対するデジタル機器のスクリーン使用の影響:系統的レビューとメタ分析


目的:デジタル画面の普及により、眼の健康、特に眼圧 (IOP) への潜在的な影響についての懸念が生じています。この系統的レビューとメタ分析は、デジタル画面の使用と眼圧の変化との関連を調べることを目的としました。


方法:2024年1月までに複数の電子データベースを網羅的に検索し、PRISMAガイドラインに準拠して報告を行いました。対象研究は英語で発表された臨床試験で、デジタルスクリーン使用が眼圧に及ぼす影響を評価しているものとしています。統計解析にはStataソフトウェアを用い、健常者および緑内障患者のスクリーン曝露前、曝露中(5、15、25、30、45、60分)、曝露後の眼圧変化を加重平均差(WMD)で算出しました。


結果:675眼を含む9件の研究が含まれました。健常者では、25分時点で有意な眼圧上昇(1.53 mmHg [0.83, 2.24], p = 0.00)が認められたが、その他の時間間隔(5、15、30、45、60分)では有意な変化はありませんでした。曝露後には眼圧は基準値に戻り、有意差はみられませんでした(p > 0.05)。一方、緑内障患者では、5分時に1.13 mmHg [0.46, 1.80](p < 0.001)、25分時に2.49 mmHg [0.33, 4.65](p = 0.02)の眼圧上昇がみられ、他の時間では有意差はありませんでした。


結論:スクリーンへの曝露は、特に緑内障患者において、一時的な眼圧上昇につながる可能性があります。これらの知見を確認し、根底にあるメカニズムやリスク因子を特定するには、より大規模で適切に設計された臨床試験が必要です。本研究は、長時間のスクリーン使用が眼の健康に潜在的リスクを及ぼす可能性を示しています。


重要なメッセージ:

既知の情報:デジタルスクリーンの使用は、眼精疲労、ドライアイ、眼圧変化などさまざまな眼への影響と関連しています。先行研究では一時的な眼圧変化が示唆されてきたが、結果は一貫していませんでした。


新しい知見:本系統的レビューとメタアナリシスにより、デジタルスクリーン曝露が特定の時間において有意な眼圧上昇を引き起こすことが、健常者および緑内障患者の両方で明らかになりました。緑内障患者ではより顕著な眼圧上昇が認められます。また、本研究では、焦点調節、姿勢要因、ブルーライト曝露といった潜在的メカニズムも指摘しており、スクリーン使用が眼の健康に与える影響は複雑であることを示しています。


コメント:システマティックレビューとは、ある特定の疑問(クリニカルクエスチョン)に対して、関連する研究論文を網羅的に収集・評価し、その研究結果を系統的に統合・要約することで、信頼性の高いエビデンス(科学的根拠)を導き出すための手法です。本研究ではデジタルデバイスの使用が眼圧上昇に影響することを示しました。

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