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​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

The effects of left and right monocular viewing on hemispheric activation

  • Sakura
  • 10月3日
  • 読了時間: 2分

Wang, C., Burtis, D. B., Ding, M., Mo, J., Williamson, J. B., & Heilman, K. M. (2018). The effects of left and right monocular viewing on hemispheric activation. Journal of clinical and experimental neuropsychology, 40(2), 198–204.


題名:左眼および右眼の単眼視が大脳半球活動に与える影響


背景: 先行研究より、左半球の活性化は主に自律神経系の副交感神経活動を増加させるのに対し、右半球の活性化は交感神経活動を増加させることが明らかになっています。さらに、それぞれの大脳半球は主に反対側の眼から網膜-上丘投射を受け取ります。先行研究では、単眼視において右眼よりも左眼で瞳孔径の拡大が大きいことが報告されています。


目的:本研究の目的は、左眼単眼視における瞳孔拡大が、右半球における交感神経活動の活性化によって誘発されるのか、それとも左半球における副交感神経活動の減少によって生じるのか、という仮説を検証することです。したがって本研究では、右眼視と左眼視において、自発的アルファ波活動の変化として測定される大脳半球の活動変化が生じるを明らかにすることを目的としました。


方法:健常参加者を対象に、高密度脳波計(EEG)を用いて、右眼、左眼、両眼視で注視点(十字マーク)を見た際の脳活動を記録しました。


結果:左眼視および両眼視では、右眼単眼視に比べて、右半球頭頂後頭領域におけるα波が有意に低くなりました。


結論:左眼視における右半球α波活動の相対的な低下は、右眼視よりも左眼視の方が右半球の活性化をより強く引き起こすことを示しています。


※α波:脳波の一種。周波数が8~13Hzの範囲にあり、リラックスした状態や目を閉じて安静にしている時に優勢になる波形。


コメント:瞳孔のサイズは一般的に左右同じとされていますが、他の研究では交感神経系 (SNS) 機能の非対称性によって、左右の瞳孔サイズがわずかに変化することも報告(Rosenberg, M. L. (2008). Physiologic anisocoria: A manifestation of a physiologic sympathetic asymmetry. Neuro-Ophthalmology, 32, 147–149. )されています。このように、瞳孔のサイズの左右差を比較することは、交感神経活動や脳活動の左右差を評価する一つの値として、有効になる可能性が考えられます。

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