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​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

The effects of vertical yoked prisms on gait

  • Sakura
  • 6月16日
  • 読了時間: 2分

Errington JA, Menant JC, Suttle CM, Bruce J, Asper LJ. The effects of vertical yoked prisms on gait. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2013 Jun 10;54(6):3949-56.


題名:垂直方向のヨークプリズムが歩行に及ぼす影響


目的:基底が下向き(BD)および上向き(BU)のヨークプリズムを装用した際の歩行への影響を調査することです。


方法:平均年齢24.0±5.1歳の健康な若年成人31名を対象に、5プリズムジオプター(Δ)のBUヨークプリズム、5(Δ)のBDヨークプリズム、およびプラノレンズ(PL:無度数、対照条件)を疑似ランダムな順序で装用させ、装用中および装用後の歩行を評価しました。被験者は自由に選んだ歩行速度で、7.5メートルの通路中央に設置された5.3メートルの歩行解析プレートを歩きました。速度、ケイデンス(歩数/分)、歩幅、両足支持期間、歩行幅、ならびに歩行時間・歩行幅・歩幅・遊脚時間を測定しました。各視覚条件下でプリズム装用前・装用中・装用後の歩行パラメータを分析しました。


結果:BDヨークプリズムは、PLと比較して、歩行速度の低下、ケイデンスの減少、歩幅の減少、歩行時間の変動性の増加を引き起こしました(P ≤ 0.001)。一方、BUヨークプリズムとPLの間では、これらの歩行パラメータに有意差は見られませんでした(P > 0.05)。プリズムを外した直後の測定値は、5分後の測定値と有意差はありませんでした。


結論:BDヨークプリズムの装用は健康成人の歩行に影響を与え、通常歩行より歩行速度が遅く、慎重な歩行パターンになりました。また、BUヨークプリズムは歩行に有意な影響を与えませんでした。BDプリズムの影響は、被験者が視覚的に「高さが増した」と知覚し、歩行に影響を与えた可能性があります。


まとめ:同側性ベースダウンプリズムは空間の高さが増すことから、上り坂を歩いている感覚、姿勢戦略になる可能性があります。応用として、当オフィスでもパソコン用レンズを製作する際に、お客様のパソコンの種類、高さに合わせて左右にBDプリズムを設定することがあります。レンズを通して見たモニターの高さを調整し、パソコン作業時の姿勢が安定するようにレンズを製作します。今後も同側性プリズムの有用な使用方法について、研究が進むことを期待したいと思います。

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