レーシック術後のリカバリーレンズ
- Sakura
- 9月10日
- 読了時間: 2分
更新日:9月11日
ご相談内容:「この1・2年で遠くも近くも見えにくくなりました」
レーシック手術を15年前に受けられたお客様です。術後の視力は両目とも(2.0)でした。しかし、2年ほど前から遠視と乱視が急速に進行し、遠くも近くも見えづらくなってきたとのことです。同時に頭痛と眼精疲労の頻度も多くなったことから、ご相談いただきました。
屈折、調節力の状態は下記の値です。
(R)0.3(1.5)×S+3.75 C-1.75 Ax95 ACC0.52
(L)0.2(1.5)×S+4.25 C-2.25 Ax90 ACC0.40
※ACC:Accommodation(調節力)
両目とも矯正視力は(1.5)と良好ですが、裸眼では右目が0.3、左目が0.2、両目の裸眼視力で0.4と少し見づらい状況になっています。遠視ですので手元はさらに見えにくい状態です。そこで今回は遠近両用レンズを用いて遠視と乱視を補正し、遠くと手元の見え方を調整することにしました。
また、幼少期より少し外斜視気味であったとのことから、今回は斜視補正も同時に行いました。一ヶ月程度レンズをご使用いただいた結果、「快適に遠く、近くも見えており、頭痛と眼精疲労の頻度も減少しました」とのことです。
目のピント調節は基本的に自律神経によって制御されています。これだけ遠視が強くなると自律神経の働きを乱してしまい、三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)になることも考えられます。レーシックを受けられた当時、担当医より「遠くがよく見えるように多めに削っといた」との説明があったそうです。おそらく少し過矯正気味に設定されたのではないかと推察します。一般的に年齢と共に目の屈折は変化いたしますので、その点を鑑みて屈折矯正手術を行っていただける眼科の先生をお勧めいたします。 眼科手術37巻4号(2024,10)では「慢性でなかった斜視患者に屈折矯正手術を行うと,予期せぬ視力低下や,複視,眼精疲労が現れることがある」と記載されています。米国や欧州ではレーシック・ICLといった屈折矯正手術の術前検査で眼位検査、両眼視機能検査を行うことが推奨されています。 日本では屈折矯正手術を行う前に眼位検査や両眼視機能検査はほとんどの施設で行っていません。屈折矯正手術を検討される折には、術前に眼位検査や両眼視機能検査を受けていただき、斜視や間欠性外斜位の有無をご確認いただけますと幸いです。
屈折矯正手術後、目の見え方にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
※この記事の内容はお客様に許可をいただき記載しております。
