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​ブログでは視覚に関する論文紹介を中心に更新しています。

多焦点眼内レンズ挿入後のリカバリーレンズ

  • Sakura
  • 4月18日
  • 読了時間: 2分

更新日:9月10日

ご相談内容:「遠く近くともにボヤけた視界になって困っているんです。特に大好きな本が読めなくなって困っています」


多焦点眼内レンズ挿入後、視力低下にお悩みのお客様です。手術後の遠方視力は右(0.7)左(0.6)両目(0.9)、近見視力は右(0.2)左(0.3p)、目の屈折状態は少し遠視側に矯正されており、乱視も残存しています。


屈折の状態は下記の値です。

(R)0.7(1.0)×S+0.75 C-1.25 Ax 85

(L)0.6(1.0)×S+0.75 C-1.75 Ax 95


再手術によって満足する見え方になるかも不確かなため、費用負担の小さい眼鏡レンズでのリカバリーをご希望いただきました。

今回は累進レンズ(中近両用レンズ)による遠視と乱視、手元の見え方の調整を行いました。


調整後、遠方の矯正視力は右(1.0)左(1.0)両目(1.2)、近見の矯正視力は30cmで右(0.9)左(0.9)まで改善し、ボヤけた見え方も消失しました。


両目で見た時の裸眼視力は(0.9)、日中の日常生活は裸眼で過ごしていただいて大丈夫な状態だと思います。そこで眼鏡は常時装用ではなく、快適に本やテレビを見たいときに使用いただくことをお勧めしました。


カメラがお好きの方であればご存知かと思いますが、光学レンズはレンズの構造上、見え方の質(画質)の観点では、単焦点レンズが最も優れた光学設計となります。それに比べ多焦点レンズは見え方の質(画質)の観点において、単焦点レンズより劣ることが一般的です。


保険診療ではなく、高額な自由診療の多焦点レンズの方が良い結果につながると考える方もいらっしゃると思います。しかしながら、そのような結果に結びつかないケースも近年臨床ではよくあります。

(保険診療でもレンティスコンフォートといった多焦点レンズがございますのでご参考までに)


見え方の質を重視するのか、それとも利便性を重視するのか、眼科医とよくご相談いただき、レンズを選定いただけますと幸いです。


屈折矯正手術後、目の見え方にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

※この記事の内容はお客様に許可をいただき記載しております。

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